ポスター鑑賞マニュアル(1)
「ヒロシマ・アピールズ」2007/松永 真
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2年前の夏、作品完成後に広島に来られた際に、松永 真さんに随行し様々な事を学ばせてもらいました。「3秒間も見れないポスターを作ろうと思った。辛くのしかかるイメージを、強烈に伝えるコミュニケーションがあってもいい、心に杭のようにささって抜けなくなるくらいに。」と語られていました。得体の知れない気味の悪い形状のものに囲まれた中央の黒い●は闇、地獄、絶望、叫ぶ事さえも許されずに逝った魂・・・それを松永さんは、可能な限り黒く、これ以上の黒はないくらいの黒にして欲しいと凸版印刷さんに頼んだと言います。使用した紙は竹尾の「わた紙」という超高級紙です。PD(プリンティングディレクター)は、その注文に対して、●の部分になんども、マットやグロスの黒インクを重ねますが、4〜5度くらいで紙に定着せずに剥離してしまいました。これでは、これ以上ないくらいの黒になりません。印刷チームは試行錯誤し印刷技術の粋を集めて、松永さんのOKが出る黒を出すことに成功しました。松永さんは6度は重ねて欲しいとの要望だったそうですが、黒以外のものも含めて結局9度重ねたそうです。
モノトーンの世界に9色刷り、これだけのこだわりの印刷はそうざらにはありませんね。モノづくりをするプロが携わった作品で大変価値もあるポスターだと認められています。
美しい見事な構成力で、史上最悪の悲劇を抽象的に表現した名作です。

8月9日(日)〜12日(水) 中区袋町「まちづくり市民交流プラザ」北館4階ギャラリーにて、ヒロシマ平和ポスター展開催 ヒロシマ・アピールズ・ポスター12作品も公開中です。
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by nohjima | 2009-08-07 14:51 | Nohjima
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